日々寒さが増していくこの季節に、一輪だけ咲く桜の花を見つけた。
何かを勘違いしてい る。そう思ったが、よくよく見てみると、その部分だけ強い日差しがあたる場所だった。桜は時計やカレンダーを持っているわけではない。自然と共振しながら 生きている。私の勝手な思い込みから、「勘違い」と評価してしまった。
そう言えば私は、時間も天気もすべて外からの情報に頼っている。
時計や天気予報がなかった時代、人は太陽の位置で 時を読んだ。季節や天気も農作物の成長具合で暦を読んだ。食事の時間も腹時計を基準に決めていた。情報が氾濫(はんらん)し世の中が便利になるにつれ「感 じる能力」が失われていることを知った。ところで、天才と言われるエジソンは幼いころ、あまりにもマイペースだったため小学校を退学させられたという。エ ジソンの母親は何度も学校に交渉したが受け入れてもらえず、結局自宅で自ら勉強を教えて育てたのだそうだ。母は自分の息子の能力を感じていた。
息 子は「母が間違っていなかったことを世界に証明して見せる」と、わずか16歳のときの日記に記している。
そして彼はそれを達成した。
もしエジソンの母が外 部の情報に踊らされ、息子のペースを変えるような教育をしていたら、私たちの知っているエジソンは育っていたのだろうか。世の中には評論家が多い。「出る クイは打たれる」という言葉どおり季節はずれに咲く花は、まるでゴシップのネタのように評価の対象となる。
私の会社には「お前らいいかげんにしろよ」と言いたくなるほどマイペースな部下が多い。
時々自分が社長なのか牧羊犬なのかわからなくなるほど組織をまとめることが大変だ。それでも一人一人が凛(りん)と咲く一輪の花であることを感じ続けていたい。






